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男性生殖器 の病気
 男性生殖器は、男性にとって大変重要な臓器です。しかし、性が関係するため「恥ずかしい」「男性は黙って耐える」などといったことから、病気への無理解や発見が遅れることがありました。
 しかし時代は変わり、現在では老若男女を問わず男性の重要な臓器や機能として認識し、その病気を正しい知識で適切に対応することが常識になっています。
 たとえば、男性は年をとると夜トイレに起きる回数が増え、排尿に時間がかかるようになるものだと思われてきました。しかし、実はこれは前立腺肥大症(ぜんりつせんひだいしょう)などの前立腺の病気であり、適切に治療すれば若い時と変わらない状態にまで回復することが社会的にも認知されるようになってきました。また女性に特有の病態とされる「更年期」は、男性にも似たような状態があり、「男性更年期」という考えも最近出てきました。
 社会が成熟し、正しい情報が伝わりやすくなった現在、男性生殖器の仕組みやはたらきとその病気を正しく理解し、万が一の時に適切に対応していただくことに主眼をおいたのがこの章です。
男性生殖器の仕組みとはたらき
 男性生殖器の仕組みとはたらきは、子孫を残すための男性側の仕組みといえますが、理解のためのキーポイントは、
男性生殖器は、精子をつくり成熟させ、またその通り路であり、体外へ出す仕組みである。
男性生殖器は、尿路系(腎臓で尿がつくられ体外へ出す仕組み)へとつながる。したがって、病気の症状や広がりも腎.尿路系とオーバーラップ(重なり合う)することが多い。
男性生殖器の仕組みとはたらきは、男性ホルモンに左右される。
の3つです。ちなみに女性の生殖器は、卵子をつくり女性ホルモンに左右されます。尿路系とは直接はつながっていませんが、ごく近い関係にあります。通常、男の赤ちゃんは成人男性と同じ仕組みと外見をもって生まれてきますが、生殖器としてのはたらきはもっていません。男性ホルモンの値が体内で高くなってくる思春期以降にそのはたらきをもつようになり、通常は老年期を迎えてもはたらきはもち続けます。
まず精子は精巣でつくられ、ある程度成熟します。精巣はかつて睾丸(こうがん)といわれていましたが、近年では女性の卵巣(卵子がつくられる)に対して、精巣と呼ばれるようになりました。精巣は、左右の陰嚢(いんのう)のなかに1個ずつあり、白い厚い膜に包まれ、縮れた糸状のものがぎっしり詰まっています。顕微鏡で見ると、この糸状のなかはひとつの管になっていて、この管の内腔で生殖細胞から精子がつくられています。
 つくられた精子はさらにこの管のなかを通って、精路とも呼ばれる精子の通り路に出て、精子の貯蔵庫である精嚢腺せいのうせんまで長い旅(泳いで行くといわれる)をします。精巣を出た精子はまず細い網目状の管を伝って精巣上体(副睾丸)に入ります。精巣上体は、精巣の側面についている束状のところですが、このなかも細い管でできており、精子はこのなかを通ってさらに成熟すると考えられています。
 精巣上体は精管へとつながります。精管は1本のパイプ状の長いしっかりした管で、精巣から陰嚢の付け根あたりを上行し、下腹部にある腹壁の重なりである鼠径(そけい)管を抜け後腹膜腔(こうふくまくくう)となり、前立腺のなかを貫いて尿道に向けて開口します。
 精子はこの路をたどっていったん精嚢にためられますが、その間にも通り路や精嚢から栄養などを受けて成熟し、活動性を増していきます。これらの液は精液の一部になります。
 射精 管が通っている前立腺は、膀胱の直下に存在し、精子の通り路である射精管と膀胱からの尿の通り路である尿道が前立腺を貫いており、ここに前立腺液を出します。精子が体外に出る、いわゆる射精時には、精液は精子と精嚢腺の分泌液とこの前立腺液の混じったものになります。前立腺液には精子へ栄養を与えたり、精子を保護する役目があるといわれています。射精管は尿道に向けて開口していますから、精液は尿道を通り陰茎(いんけい)の先端から出ることになります。
 この精子がつくられ、体外に出るまでの全経路を男性生殖器と呼びますが、男性の場合、精子の通り路と尿の通り路は一部重なっていることになります。
 一方、精子がつくられる精巣は男性の生殖機能や体のはたらきを調節する男性ホルモンを出す場所でもあります。精巣でつくられる男性ホルモンは、精子のような特別の通り路を通らず、近くで血管内に入り、体の他の部分に作用して男性の体の特徴を出すのにはたらきます。
 精巣での男性ホルモンの作用は、脳の近くにある下垂体から出る性腺刺激ホルモンや、さらにその上部にある脳の視床下部から出るホルモンと、脳のはたらきそのものにより調節を受けています。

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